最近、Fire(Financial Independence,Retire Early)が話題になってますよね。
私には技術的にも気持ち的にも無理だなーと思います。理由をあげます。
Fireを唱えている人々の財務基盤
Fireを達成したという人の話はワンパターンで、貯金を株式投資にまわし、キャピタルゲインか配当をもらうというものです。そして支出は慎ましく。
しかし、キャピタルゲインで常に儲けられる人は株式市場でもごくわずかです。
この事実をどれくらいの人がしっかり認識しているでしょうか?
言っておきますが、世の中の株についての本なんてほとんどが嘘で、書いた人は市場で儲けていません。
もっとも有名な人は「北浜流一郎」ではないでしょうか。たくさん本も書いています。記事も書いています。しかし彼が金持ちになった話は何十年も聞いていませんし、推奨株は恨んでいる人ばかりでしょう。
雑誌のSPAかなにかで雑誌ZAIと雑誌日経マネーの追跡調査をしていましたが、日経マネーはボロ負けです。
株で儲けられる人はごくごく少数で、ほとんどが証券会社の作り出した虚像だと知ってください。
儲け話なんぞみんなに広まるわけないのに、なぜ株を買うことだけは儲かるのですか?
日銀が大幅介入して作られた市場である日本株を買うところからして、リスクは高いのではないでしょうか。
企業の配当だっていつまで続くかわかりません。
ここで常々書いているように、企業の好業績なんてそんなに長い間続かないのです。
そしてFireする人々のいう4%ルールを守ろうとすると、支出は限られてきます。
おそらく家族はもてません。ほら、子供ひとり育てるのに1千万円以上かかるっていうでしょ。あれ、ホントウですから。
こういう話で思い出すのが、極端な円高だった時代の日本です。
「退職金くらいの円があれば、東南アジアで一生遊んでくらせる」とその時の円レートと物価だけで判断して、タイに移住した人はたくさんいました。
いまやタイは成長国で年々物価があがっています。
そんな中、相対的に貧乏になった日本人は密かに日本に帰国しました。しかし日本での社会インフラを捨ててしまっているので、リタイアどころではない低賃金で一生働くハメになっています。
財務基盤が弱いとこうなるのです。
情報のなさ
日本で「リタイアに成功した」ということをウリにしている作家がいます。
本田健氏です。
八ヶ岳に住んでおられるようですが、彼は言うこととやることがまったく違います。
リタイアしたならばおとなしくしていればいいのに、コロナ騒ぎで人の不安につけこんで、適当な予想とそれをばらまく本やオンラインサロンで大儲けしています。
これだけで推定で数億円稼いでいます。
これくらいの規模になると、スタッフを雇わねばなりません。
会社も持っているとおっしゃっています。
これのどこがリタイアでしょうか?
これまた常々、言っていることですがホントウにお金持ちになった人は黙っています。
のこのこ世の中に出てきてワーワー言ってなんの得があるでしょうか。
税務署となんとか金をくすねとってやろうという人間が出没するなど、いいことはなにもありません。
つまりリタイアするための情報はとても限られています。
よく考えるしかありません。
リタイアしてどうする?
毎日、しんどい思いをして会社に通うことは苦行です。
ですからリタイアを夢見ることもわかります。
しかし「天国は3日であきる」という言葉をご存知ですか?
自分が考えられる限りのリタイアメント生活を思い浮かべてください。
それを一年続けられますか?
本や雑誌で若いうちにリタイアした人の話が出ていますが、あんな生活を私はしたくないです。
だいたいが暇つぶしで、孤独ですよね。
生活破綻者ならともかく、普通の人間は生きることに余裕ができると、人の役にたちたいとか自分の能力を使いたい、高めたいと思うものです。
そしてFireの怖いところは「若いうち」にリタイアして、その後、能力がどんどん低下して迎える老後について一切、語らないところです。
毎日、遊ぶしかない、言い換えると社会からはみ出していると辛いものがあります。
リタイアなんていう虚像をもてあそぶよりも、どういう能力でキャッシュフローを生涯稼ぎ続けられるかを考えるほうが合理的だと私は思います。