この件について、犯人は明らかに製作者のイースト・エンターテイメントです。
そもそも企画したのは、松本彩夏なる人物で、インタビューで「台本を作ってその通りやってもらうよりも、そこで起こったことを撮影して、編集で作りこむほうが好みなんだと思います。出演者の方の能力に最大限、乗っかる…といいますか。」とテラス・ハウスで悪役を煽る気まんまんだったのです。
番組制作経験のある浮田哲氏がBLOGOSの記事で「何があったかというと、「はい、カメラ回りました」「了解、では木村さんお願いします。3、2、1、」というスタッフの声が響く部屋、という光景が目に浮かぶ。」と指摘されており、そもそもテラスハウスで共同生活は送られておらず、週三回集まって番組を作っていたといいます。
なので、木村花さんは徹底した悪役を演じていただけですが、番組制作側はYoutubeなどでも、いかにでもリアルであるかのように煽って炎上視聴率稼ぎに走ったわけです。
それで誹謗中傷が木村さんに集中。フジテレビの思惑にみんなが乗っけられた構図があまりにも悲しい。
とても残念だったことがふたつあります。
ひとつは(おそらく)木村花さんは本名なんだと思います。そうすると、いつも自分自身であります。
多くの芸能人が芸名を持ちますよね。
それは徹頭徹尾、出演している時は芸だからです。
しばしば思いますが、天海祐希さんっておられますよね。あの方の本名は中野祐里とおっしゃるらしいのですが、私達は中野祐里さんについては何も知らず、天海祐希さんについてしか知りません。
テレビで見る天海祐希さんは性格から一挙手一投足すべて天海祐希を演じていると思います。
ちょっとした知り合いで芸能プロダクションに入った若い子を知っていますが、事務所に「こういう性格で出なさい」と言われ結構自分自身とのギャップに苦しんでいるようです。
事務所も嫌がらせでやっているわけじゃなく、芸能界における居場所を見つけてあげようとしているんでしょうね。かように芸能人という人種は芸とプライベートは別なのです。テレビを見て素直に「あの人はこんな人」なんて思っていてはいけません。
つまり仮にテラスハウスはリアルです、と言っていても芸名で活動していれば芸の上での自分と、プライベートな自分を分けることができたと思うのです。
もう一点は匿名の誹謗中傷の弱さです。
大半が匿名だったということで、ネット上では匿名の誹謗中傷者は「ノイジーマイノリティ(騒々しいだけの少数)」ということがわかっています。
人間は大挙して来られると「集団が来た」と思います。
人類が始まって以来、その思い込みは正しかったのです。
しかし、インターネットはまったく無秩序で、嘘か本当かわからない情報の断片だけが出回り、頭の悪い正直者ほどそれでわかったつもりになり、素直に反応します。反応した者同士は面識もなければ、反応したこと以外の共通点はありません。
せいぜい「人生に不満があり、他人を叩くことでしかストレス解消できない」くらいの共通点でしょうか。
インターネット時代は「炎上」と呼ばれる現象が起きても、それは集団ではないのです。
数が多いというだけ。
ましてや、今、立法が考えられているような誹謗中傷者を容易に特定できるような法律ができれば、この現象もだいぶと薄まるでしょう。
もし、木村花さんが自ら命を断ったことが本当ならば、彼女は存在しない「集団」に怯え、傷つき、亡くなってしまったということになります。
残念です。
私は輪廻転生を信じていますから、次の世ではもっと自分の幸福を追求してほしいな、と思います。