いつも書いていますが、なにか自分がお客さんより知っている、マニアであることが起業のネタとなります。
なぜならば、お客さんを超えた目線が「なにがいいのか」「お客がまだ気づいていない問題の解決」などを作り出し、お客さんに「いいね!」と言ってもらえるからです。
これがなにを意味しているかというと「高利益率のビジネス」を最初から想定しているということです。
今までいろんな起業する人を見てきました。
失敗する人、組織には共通点があって、このコアスキルに自信がないんです。
だから「走りながら勉強します」とかふざけたことを言います。
そしてターゲットの顧客が「中小企業」と言うんです。大企業とは言わない。
自信がないんです。
中小企業を相手にする商売って、私はやりません。
なぜならば、例外はもちろんありますが、一般的にはカネ持ってないです。
そしてカネ持っていない人、組織ほど払った相手にタダ働きさせたがります。
(それが儲からない理由なんですけど、中小企業の経営者はわかっていません)
表題に掲げた本の「地味な起業」は理屈ではありそうですが、実際はほとんど市場がありません。
カネもってない中小零細企業は、かんたんなことはなんとか無料でやらせるか自社内でやるのです。
とことんまで買い叩かれます。誰も感謝なんぞしません。
おわかりでしょうか?
ここから必然的にわかることがあります。
Amazonで売れ筋を中国から転売する、中小企業のおこぼれの雑事をやる、というのは誰もがやれそうだというイメージがありますし、実際にカンタンです。
だから競争者が大量にいることに気づいてください。
競争者がいれば値段は下がります。当たり前ですね。
表題にあげた「地味な起業で食っていく」ことはできません。
この本は本当に素人を地獄の一丁目に引きずり込む、トンデモナイ本です。
読んでいて腹がたちました。
信じてやると、ほとんど寝ずに働きまくって、かつかつ年収150万円とかになりかねません。
派遣やったほうがマシ。
似たようなタイトルで「しょぼい起業で食っていく」というのがあります。
この本はぜんぜん違うことを言っています。
今、日本の社会は「社会」が崩壊しています。
地域ではほとんどの人が他人で繋がりがありません。
私は船橋に20年くらい住んでいますが、家族経由以外の知り合いはいません。
家庭内も崩壊していて、各人が勝手に生きているような家庭も多くあります。
だからインターネットに頼らずに地域社会を物理的に作り出したら勝ちだという、すごいアイデアの本です。
この本のような実例を知っています。
私の知り合いは四国の僻地で生まれてはじめてレストランを開業しました。
その地域はそれまでレストランがなく、新聞に載ったほどです。
そうすると、そのレストランはみんなが集まる場所になっています。
お年寄りだって公民館で茶飲んでせんべいかじるより、もう少し贅沢したいのです。
客単価は東京並みです。
でもお客さんは文化を感じたいのか、引きも切らないようです。
ビジネスとは規模が小さいほど、最初から高付加価値を狙うべきで、
牛丼一杯400円のビジネスは大企業だからこそ、できることなのです。
自信がないから単価を下げて、お客は中小企業というのであるならば、そのビジネス計画は見直す必要があります。