雑感(日記)

海外にウィスキーを持ち出す方法

今年、これについてずいぶん勉強させられました。どこにも書かれていない経験をしました。
同じ問題で困っている人の役にたてば、幸いです。

コトの発端は6月のドイツへの出張時、ドイツ人が「ヤマザキを飲んでみたい」というのでなんとかしてみよう、でした。

ご存知かどうかわかりませんが、今、世界的にジャパニーズウィスキーは人気なのにもかかわらず、品薄。
ウィスキーなんて作るのに10年、20年、30年かかる代物ですから、おいそれと市場に出回るわけないです。

イギリスでもヨーロッパでも庶民には手の届かないモノとなっております。

おみやげで海外にウィスキーをもっていく

目的地のフランクフルト空港はEUでもっとも税関が厳しい空港だとネットには書いてありました。
音楽家が自分の演奏のためにもっているストラジバリウスのバイオリンに何億円もの関税をかけるとかいうキチガイじみたことをする税関で有名になりました。
他にも私物のパソコンを没収され、めちゃくちゃな税金を取られたなど、悪名高い税関です。

そのため、EUのレギュレーションを調べウィスキーは総量で1リットル以下にしました。
同じ酒でも蒸溜酒はアルコール度数が高いので難儀します。
具体的にはヤマザキの180mlボトルを5本としました。これなら申告の必要はないはずです。
パソコンは所有権はドイツ本社なので、没収されても俺はしらね。

いざヘトヘトになってフランクフルト空港の緑ゲートに向かうと、そこには何箱もの段ボール箱を申告なしに通そうとしてもめている日本人旅行客に税関職員はつきっきりで、なにごともなく通過してしまいました。

やれやれ。

しかし、課題は続きます。

イギリス人の女性が「あら、私もウィスキー飲んでみたいわ」とおっしゃるので軽い気持ちで「日本から送るよ」と言いました。

日本からウィスキーを海外へ送る

日本に帰国後、また180mlボトルの山崎や白州を6本集めました。
そこで調べると、EMSでウィスキーは送れません。クロネコヤマトの国際便でもウィスキーは送れません。
この二社から送れないので日本のQAサイトでは「ウィスキーは海外に送れない」などという安直な解答を見かけます。
いやいや、日本から海外に個人的にウィスキー送れないってありえないでしょうとさらに調べたら、DHLは受け付けるというのを見つけました。

勤務先の近所にあるDHLの代理店で聞いてみると「送れるみたいですが、手続きがわからないので返送されてくることもあります」とおっしゃいます。
そんなの困ります。海外商品の返送なんてヘーキで半年経ちます。
最初からきっちり手続きしたいものです。

そこで新木場にあるDHL Express東京サービスセンターに夏の炎天下に行きました。
DHLの公式見解を得るにはここが日本でベストでしょう。
新木場駅から歩いて12分ほどかかる場所です。できれば車が好ましいかと思います。

受付で「ウィスキーをイギリスに送りたいんですが」と女性に相談すると、奥からきさくなお兄さんがでてきました。
DHLは運送料は高いですが、梱包材まで分けてくれます。丁寧にウィスキーボトルを包み、箱にいれます。(責任上、私自身がやる)
海外輸出なので、invoiceの紙を書きます。
ウィスキーの産地、度数などもボトルの記載を転記します。
ここまではよくあることです。

で、DHLの送り状の 5.Full description of contents

Whiskey 180ml x 6
Not Restricted as per special provision A9

と記載します。
この記載については私はネットをいくら探しても出てきませんでした。
さすがDHLです。
あとはDHLのセキュリティ監査を通れば、送られます。

イギリスの相手には1週間ほどで着きました。

ただし、運送料は2万2千円です。
これを高いとするか、安いとするかは送る人、受け取る人の価値観でしょう。
私はヨーロッパでは入手できないものを送るのですから、この送料は価値があると判断しました。

いやぁ、タイヘンでした。
しかし海外にウィスキーを送ることはできるのです。

追記:2022年にもう一度、ウィスキーをドイツに送りました。180mlx8本。
今回はパッケージはギリギリに詰め込むことでOKで、費用は9500円でした。
インヴォイスを書いただけで、伝票はパソコンからDHLの人が作ってくれました。より、簡単になっています。

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