国民投票(レファレンダム)にかけて、本当に離脱を決めるとイギリスの政治家達は思っていたらしい。
友人のイギリス人もあっけにとられていた。
そして一時、為替は大混乱でポンドはだだ下がり、円はめちゃくちゃあがり、アベノミクスはチャラとなった。
でも今のEUは「ドイツ帝国」となってしまった。
経済で優れている国がEUの通貨の価値が矛盾しないように、経済力の弱い国をドイツ流の権威主義でひっぱたく。
まるで日本の根性論みたいな感じで、「がんばれ、具体策は自分で考えろ」じゃ、イマドキ誰もついてこない。
ギリシャなどがもっともいい例だろう。
そして、「EU高級官僚」というものがすでに存在し、国より上位にあるからと無茶ぶりを発揮する。
貧富の差が開くと人間として考えることも異なる。かなりの貧富の差は仕方ないとはいえ、世界の富豪62人が最貧困層32億人(地球人口の半分)と同じ資産であることはおかしい。
ピケティが「21世紀の資本」でも指摘したが、このくらいの富豪はもう働いていない。お金がお金を産む状態であり、その頂点に乗っかっているだけだ。それは代々続く。
世界で最も貧しい国の前大統領として知られるホセ…ムヒカの言葉を知ってほしい。
欲ボケしている頭にはいいシャワーになる。
イギリスもそうだが、かつて世界の半分を支配した国、スペイン、ポルトガル、モンゴルなどの国は経済についてムキにならない。もちろん高い失業率は大問題だが、それもすべてをやりつくした結果なのだ。
国民全体として「悟っている」ところを感じる。
王国という独裁政治であるにもかかわらず、ブータンのように仏教を信じ「国民の幸福度」を考える国すらある。
EUって試みは縛りがきつすぎて新たな支配者を生み出してしまい、失敗したと考えるほうが妥当だと思う。
今後、離脱する国は増えると思う。
新たな支配者は実は裸だと気づけば出て行くだろう。
そもそもEUを離脱したからっていって、土地が遠くに行ったり、その国が亡くなるわけじゃない。
一方でイギリスがEUを離脱したからダメになる、とか言っている人間はなにもわかっちゃいない。
イギリスはよりアメリカに近づけばいいだけだ。昔からそうであったように。
そして、イギリス連邦はいまだに健在である。
イギリスは今後、業績は伸び、ポンドはあがると私は思う。
2016/7/8追記:イギリス人と話す機会があった。彼等は大変だがやりぬく、という感情をもっているそうだ。それと同時に数年以内に、やはりEUを抜ける国が出てくるだろうと言っていた。
このあたりの感覚は日本ではまったく報道されていないように思う。
今日の日経にスペイン・ポルトガルの財政再建の努力がかんばしくないから、制裁をするという記事が出ている。結局、EUってドイツの「第四帝国」であることがだんだん目に見えてくるのだと思う。