起業

起業が大変だという理由

こんな話を聞いたことないですか?

「起業して夜も昼もなく働き続けてタイヘンだ。」

これね、本当にそうなのか極めて疑わしいのです。

以前、労力の2割で作業全体の8割ができあがり、残りの8割で作業の2割を費やすということを書きました。

なんとか「完成度を高めたい」と思うかぎり、いろいろな準備に心血を注ぎたい気持ちはわかります。

しかし、その「完成度」の基準が問題なのです。

今のあなたが思い描く理想が、正しい理想か?はなはだ疑問です。

ビジネスの経験があがると共に「完成度」が動くのです。

もちろん作業などのスキル、スピードもあがります。

いや、変わらないならば、現場からなにも学んでいないということで問題です。

言い換えると、最初は(お客さんには申し訳ないですが)そこそこでいいのです。

だんだん完成度はあがります。

同時に、お客さんから見ると、その変化がまたよいのです。

いきなり完成度の高いビジネス、製品を作って、あとは変化がありません、というものと、

完成度はそこそこなんだけど、だんだんよくなっていく、変わったことがある、というものでは

後者のほうが明らかにお客に飽きられずにおつきあいいただけるのです。

嘘だと思うなら、カローラとかスマホとか思い浮かべてください。

世の中にいきなりトヨタカローラ11代目が出たわけじゃありません。

世の中にいきなりiPhone 6が出たわけじゃありません。

簡単に説明すると、

起業の時の「だろう」でやる仕事の大半は無駄。寝ていたほうがよかった

になります。

起業する時に自分の基準を過信して無駄に時間を使わないことです。

寝る暇もないなんてことは、本来ないのです。

そして、誰もが一日は24時間しかありません。
24時間分以上の仕事が来たらどうするんでしょうね?

結局、忙しがっている人間は余計なことをしているか、忙しい自分が好きなんですよ。
あまり好きな方法じゃありませんが、成果で測定してみたらその自惚れも少しは冷めようというものじゃないでしょうか。

かつて一緒に起業した会社も社長もそうでした。
恥ずかしながら、当時の私は「寝る間を惜しんで仕事する凄い奴!」と当時の自分をゆさぶってやりたい大馬鹿な勘違いしていましたが。

時が過ぎて、その会社は新しいことをやっているわけでもない、なんのために存在しているのかわからない(いや、おそらく彼が社長という肩書で「経営者同士の会」に出席するために必要な)、お客は手間ばかりかかるお金をもっていない企業の、どこにでもある零細企業です。
老婆心ですが、こういう時代遅れの会社が食べていくのはタイヘンな時代だと推察しております。

こんな姿がみなさんが起業するゴールであっていいはずがありません。

「寝る暇がないほど働け」という言葉を絶対に信じてはいけません。
(もちろん瞬間ではありますよ。納期が近い、とかね)

ビジネスはマラソンです。
短距離走ではないのです。

全力で走って倒れた横を、マラソンで抜かれたら負けなのですよ。

仕事のプライオリティと精度を自分に問うことは極めて重要です。

ここまで読んでいただいた方のために大事なことを書いておきます。

起業でもっとも大事なことは「営業」です。

これがどの起業本でもいい加減にしか書いていません。
書いている人もどうすればいいか、実は自信がないんです。

多くの人が、従来のツテを回れ、とか、異業種交流会などとバカなことばかり書いていますが、ご祝儀で一回は頼んでくれるかもしれませんが、何度もの依頼はないです。
ましてや相手がサラリーマンだと独立したあなたの失敗を心から願っていますから。

ですからどの起業本にもない、営業方法を要約して記しておきます。
きっとしかるべき将来、詳細を語る時もくるでしょう。

お客がビジネス界ならサラリーマン時代からオピニオンリーダーになってください。

具体的には本を書き、講演します。

コンサルティング会社に営業がいない理由は、このオピニオンリーダーになり、それについて企業の幹部にお手紙を出す(紳士録に乗ってます)からです。
NTTコム在職中に上司達はなんどもこの手のレターをもらっては見せてくれていました。
大手コンサルティング会社はカモだと思ったんでしょうね。
社内では爆笑しながら読んでましたけど。

多くの講演を聞いて見るとわかりますが、みーんな似たようなことしか言っていません。
みんな余計なことを言って違っていたら恥をかくのがイヤなのです。
たいてい部長やら事業部長やらの肩書ついてますから。
どれくらいの知能かは講演聞けばわかりますよね。

おもしろいセオリーを考えついて話してると、業界の記者が食いついてきます。

 

お客が消費者の場合、インターネットのSEOよりも素直に友達にリンクを頼んで、Google Adwardsに検索語を工夫して広告を出しましょう

多くのアプリの会社は地味にやってます。
これも知人が働いていたので事実です。

サラリーマン時代からアクセスの多いサイトを持てれば最強の準備です。

こういうのは意味のある仕事だと思いませんか?
そして、どちらも時間が必要であって、自分が寝ないで働いても相手は動いてくれません。

営業に必要な助走期間を起業したから短縮しようとするから、無理が生じるのです。

ざっとですが、起業本でこんな大事なことを書いていない本が多すぎですからここにひっそり書いておきます。

関連記事

  1. お金を儲ける事に遠慮してしまいます、への回答が秀逸すぎる件

  2. 製品を作るおじさんの独り言

  3. 令和時代の中小企業のIT環境(経営者向け)

  4. 近未来に必ず起きるとわかりきっていること

  5. 日本のDIY市場の勘違い

  6. 「楽天」から早く逃げてー

  7. 起業するなら最初からトップ狙い

  8. 通勤に便利、は古い