日本経済新聞によると、マクドナルドが相変わらず赤字決算らしい。
体感的には「タケーし、マズイ」と思う。
同じ金額で牛丼屋に行ったほうが満足度は高い。
同じハンバーガー業界ではモスバーガーにお客は流れているという。
世界のマクドナルドの売上も減り、CEOが交代した。
発祥の地アメリカでも健全な材料をうたうチェーンにお客を取られているらしい。
要するにビッグマックの賞味期限は切れたということだろう。
さまざまな情報からすると、原田氏が社長だったころからすでにマーケティングはアメリカ本社がやっており、
悪名高かったメニューを店頭から撤去とかはアメリカ人が勝手に決めたことだったらしい。
(そう知ると、アップルのころから有能には見えない原田氏も、責任をもって発表したのは立派な態度だった)
おそらくアメリカのマーケティングチームは「不便にしても客は来るさ」というサラリーマンの気楽さでやったのだろうが、
すでに賞味期限切れだったマクドナルドの崩壊を早めたのだろう。
こういう問題を見ていて思うことは、グローバル企業の中央集権的なやり方は没落を招くということだ。
ビジネスを効率的にやろうとするために最適化する時、
買う側については「同じ人間なんだから同じ反応をする「だろう」」という前提がある。
そのためグローバル企業ではしばしば新しいルールが「即日発行、例外は認めない」という注釈つきでやってくる。
企業で働いている人間としては従わないとクビだから従う。
本社の言い分は「例外を認めていたら、そのコストがかかる。例外を切り捨ててよい」ということだ。
この考え方に取り憑かれて没落した企業は多い。
かつてあった(すでに過去形)ダイエーも集中購買ということで本社が購買、販売製品を決めていた。
現地の実情なんか知ったことか、であった。
アイ・ビー・エムも同様だった。
やり方を世界で同じ方式に変え効率化し、一見儲からない製造をどんどん辞めているのに
コンピューターの専門企業のふりをしてサービスを売るのだ、例外は許さんということをしていたため、
敬意も市場も失った。
マクドナルドのカサノバ氏が腐ったチキン問題で「私達も被害者だ」と言ったのは法律上正しいが、
現地の消費者の賛同は得られない。メーカーは最終製品に責任があることは明らかだからだ。
企業は効率化を求めて中央集権制度を敷く。
しかし、企業のビジネスモデルが賞味期限切れを起こした時、中央集権制度は最も感度が鈍い制度だ。
どうしようもなくなるまで危機感は伝わらない。
こう考えるとマクドナルドはどうしようもなくなっていくと予想できる。
一方で、300円のものを売ってお客のクレームに対応して「お客様は神様です」と
お客を誤解、甘やかす日本企業のやり方も世界では通用しない。
一定のサービス以上を要求するお客は、そこからお客じゃなくなり取引を止めるべきだというのが
世界中の企業が取っている方法だ。
責任は有限であり、ひとりのワガママを聞くならば、他のお客全部にもそのワガママを適用しないと
不公平であり、フェアでないからだ。
それがわからず、無意識のうちにゴネ得を狙うサラリーマンはとても多い。