サラリーマンのふり

人の肩書と実力

人は他人を評価する時に最低限の手間ですませようとします。

よく学生が「私をよく見てほしい」などという惚けたことを言ってますが、掃いて捨てるくらいいる希望者をいちいち丁寧に見ていたら時間も気力もなくなります。
ばっさり書類や試験で落とすのは合理的かつ間違ったことではないと思います。

もっというと企業は学校と違い、公平な判断なんて必要ないですから。
もし、公平に判断するならトヨタ自動車、サントリーや日清食品も同族から経営陣出してますが、どう説明しますか?
それぞれの企業はそれぞれの理由があり、別に客観的に経営陣を決めているのではないです。

もともと人を見てどんな人かって考えるのは、かなりエネルギーのいる仕事です。

同様に、話が本当に正しいか、というのも考えるのはかなりエネルギーがいります。

2015年2月のカレンダーが1日からみっしり埋まっているのを834年に一度しか起きない、というデマを簡単に信じる人々はあとを絶ちません。コピペの流れを見ていて、いかに人はものを考えないかよくわかります。

だから、こんな話だってヘーキでおきます。

「あの人、オラクルにいたんだって」

「ふーん、じゃぁデータベース得意なんだ」

「事務やってても?」

これくらいなら笑い話ですが、コンサルティング会社の「優秀な」コンサルタントだと悪用しますよね。

やれ、マッキンゼーにいた、ボストンコンサルティンググループにいた、ハーバードでMBAとった、などという人がいて、みなさんものの見事に「だから、すごい人なんだ」と思い込みます。

実は、入ったはいいがロクな業績をあげられなかったり、チーム内では単なる雑用やっていたり、大学では最低限の成績でお情けで卒業させてもらっていたりしても、そういう実情について想像もせず、「すごい」と思い込みます。
自分の目でよく見たり、考えたり、調べるエネルギーを人は惜しむのです。

実際に会ってみればわかりますが、本当にこの人は地頭がよくて、いろんなことを勉強しているな、という人はほとんどいません。(たまーに大前研一みたいな人はもちろんいます!)

本人に自覚があればいいですが、普通、周りが肩書だけで「すごい!」というし、本人も肩書が欲しくてうろうろしてきた人生なので完全に勘違いした口先小僧パターンは少なくはないです。

フリーエネルギーとかいうふざけた分野があり、ついこの間までUFOを研究していた清家新一という人がいました。東大大学院を出て大学で教鞭をとっていたこともあります。
この人が高等数学を駆使した数式で自分の考えを説明していたため、みんな「スゴイ」と彼を信じましたが、数学科がその式を見ると展開で間違っているところを発見してしまいました。

肩書を信じて、理論も正しいとしていた人達はどうするのでしょうか。
言い出したからには、「それでも正しい」と言い続けるんでしょうね。
自分がアホでした、とプライドが傷つくのを極度に恐れる人は多いですから。

百匹目の猿現象のように言い出したライアル・ワトソンが捏造だと認めていても、故船井幸雄が話したから真実だとばかり広まり続けるデマもあります。

 

普段はどうでもいいことです。

他人が本当はどんな人か、だなんて。

でも、利害を伴うことをやるのであれば、きっちり見たほうがいいです。
「◯◯の専門家、プロフェッショナル」
とlinkedinには書いていますが、ずっと派遣でした、という人もいますから。
(派遣を貶めているのではないです。派遣は会社の責任は負いません。アシスタントです。そこは書かないという話です。)

ましてや、周囲が「あいつはダメ」という人間には残念ながらロクなヤツはいません。
私も何度か失敗していますから、断言できます。

そういう人を「信用をなくした人間」というのでしょうね。

他人の評価はエネルギーが必要です。
でも、必要な時にはエネルギーを使ってやるべきです。
その人と一緒になにかやっている、あなたも周囲からイージーに評価されるのですから。

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