「ネット右翼と中年童貞」っていうルポっていうのか記事があって、なんだかすごい偏見だな、と思った。
秋葉原に毎週のように電子部品調達に行く私はオタクとは無縁ではない。
メイドはいたるところにいる街だし、それは安い風俗だ。
メイドの女の子はキャバクラ嬢よりも偉いといつも思う。
どんな人とのコミュニケーションも厭わないのだ。
水商売の現場では何度も気に入らない客を無視する人間を見て来た。
しかし、秋葉原では見たことがない。
これは客の特質だからだと思う。
多くの人の予想通りに秋葉原にくる若者も、おじさんもキモい。
服装はダサい、汗ばんでることもあるし、風呂に入ってなくて臭かったり、ヒゲぼーぼーだったりする。
(そういう人達の中ですら、職質を受ける俺って… orz)
彼等は女性にもてようとか、媚びようとか、エラソーにふるまって尊敬してもらおうとか、まるで考えていない。
というか、そういうコミュニケーションは成立しない。
だから、メイドは母親のように優しくならざるを得ない。
オタクは女性にまるで自信がないから、決して視線をあわせない、話題など元からない。
そういうオタクに丁寧に応じてあげて、そんなに高くないソフトドリンクを買ってもらい、彼等が心を開く段階にあわせてお話をする。
当たり前だがすべてオタクがなけなしの財布から出すお金だ。
だから大金ではありえない。
メイド喫茶は乱立ぎみで競争も厳しい。
自宅でパソコンの前ではネット右翼になる人間もいるだろう。
でも、リアルな世界では彼等はあまりにもシャイで優しい。
優しい人は自分の欲望に気付きながら、女性を口説けないよ。
数キロ離れた銀座では、夜な夜な会社の金で飲み歩くオヤジとそのお金欲しさに磨き上げた女達が駆け引きをやっている。
それは騙し合いのゲームであり、ほっとするような優しさなどない。もし、そんな気持ちをもったら負けを意味する。
(余談だが、銀座のクラブはホステス(半分はバイト)をいかに口説くかというゲームをする場所。キャバクラと違うのは高いから時間でチャージじゃないところ。とてもじゃないが、サラリーマンが個人で払って通い続けられるところではない。
だから、おじさん同士はお互いの店に接待として通い合い、ゲームを進めるチャンスを与えあう。
うかうかすれば高級ソープに行けるくらいの金額を女性のいる飲み屋(しかも出てくるものは近所のハナマサで買ったもの)に払う理由がキレイごとなワケがない。
こんなところに企業の本当のエリートの若者は来ない、そんな暇はない。
昔、仕事でよく行ったが銀座のクラブってひとつの会社でぬくぬくやってきた世間知らずのおっさんしかひっからないよ。
冒頭のルポを書いた人がたった一人の中年童貞から推測して暴力的な人物像を作り上げているが、それは私の目に映るアキハバラの中年童貞達に気の毒だと思う。