起業

会社とお金

私もサラリーマンやってるけど、いよいよサラリーマンは危ないな、と感じます。

そもそも、先進国といわれる国のサラリーマンの給与が下がるのは、当然といえば当然。

外資系にいると感じるけれど、大量にエンジニアを必要とするサポートや、経理処理などの仕事は賃金の安い国に移動しますからね。

仕事の付加価値と生産性

まず、これを理解しましょう。正確性を問われるとはいえ、ルーチンの仕事は世界を移動するのです。

よく現場の人は「一生懸命やってる」とか「ミスがないようにやってる」とか「休日を返上してやってる」とか言うけれど、ビジネス(=金儲け)として考えたら、意味がない言葉なのです。

もし、低賃金の国と戦うのであれば、圧倒的な生産性しか勝負のしようはないのです。たとえば、ベトナムの高学歴の人3人分を一人分の賃金でできるくらいの生産性。

こう考えると、仕事を選ぶ必要がある、ということがわかりますね。

ここで大事な概念を説明します。スマイルカーブというものがあります。(今回は、未来経済研究室からお借りしました。)

smilecarb
これで、今、左側を付加価値、右側を生産性だと考えてください。
付加価値が高いなら、それなりに報酬は上がる。生産性が高いなら、それなりに報酬は上がる。
真ん中でうだうだしているなら報酬は低いということです。

こう書くと真ん中あたりの人達は「じゃぁー、俺達はいらないっえいうのかよ」と言いますが、そのように感情的になることではビジネスの本質は見えません。報酬は安いよ、ということです。

スマイルカーブは川上、川下のような事業ではしばしば起きる現象です。記憶しておくとよいと思います。

仕事とクビになることに関連はあまりない

さて、仕事を選んでもサラリーマンは安泰ではありません。

信じられないでしょうけれども、20年くらい前には「会社は永遠です」と言って、滅私奉公する商社マンがドラマになった時代もありました。今でも商社の人はタイヘンでしょうけれども、タイヘンさの性質が変わっていると思います。
エリートになっていくための修行の過程だったものが、使い捨てにされないためのしがみつきに変わったというか。

現在のリストラというもので誰が対象になるかというと、業績なんか実は関係なく、きついことをいいやすい人、団結しない一匹狼、弱小派閥の人など、人間関係で決まっていることは誰もが知っていることです。
むしろ、事業をやめるからというので、一律に全員クビになる人々のほうがラッキーだと思えるほどです。

こう見ていくと、会社というものでお互いが不信で働いているのが現在だと思います。
「そんなことはない。俺の/私の職場はお互いが信じあってがんばっている」とおっしゃる方がおられるならば、それは本当にラッキーなことです。状況が変わるまで転職なんか考えてはいけません。

現在、政府が考えているようなサラリーマンを簡単にクビにする法案や、残業代を払わない裁量労働制やホワイトカラーエグゼンプションなんて、関係ないはずです。

が、関係しそうな人はスマイルカーブの高いところに位置する仕事を覚え、転職の準備は怠らないことでしょう。

しかし、注意すべきことがあります。

ふたつのキャリア

日本の会社はパーツとしてしか動かない人を優遇します。専門家だというわけですね。この道何十年とか、即戦力という言葉が誤解されて使われていると思っています。
残念ながら海外は違います。私のイギリス人の今の上司は会社でもVice Presidentなのでポジションは低くはないですが、以前、警察官だったことがあります。その前の上司はダイビング・インストラクターだった時代があります。そうやって幅広いキャリアはより広範な判断ができる、とより普遍性のある能力を評価するのが海外の労働市場のようです。

日本はまったく異なっており、特定の狭いジャンルを何十年もやっている人がエライとされます。人事もそういう人を好みます。
要するにわかりやすい人であることを心がけましょう。

スマイルカーブの高いところを狙うにしても、職種をころころ変えてはいけない、ということです。

ただ、例外、いや今後、主流になるであろうと私が思っていて、私自身をデザインしていることがあります。

それは自分で事業をやる場合です。この場合、特定のことしか知らないと事業を作ることはできません。確かに必要なサービスは、英語ができるならば、ほとんど国内外から調達可能です。
しかし、必要なサービスがよいのか、金を払うに値するのか、信頼できるのかは内容を知らなければできないのです。

よく見かけるのですが、サラリーマン社長で契約書を読めない人がいます。
問題外です。弁護士がいても、弁護士は事業までは知りませんから、事業概要、考えられるリスクをしっかりインプットしなければ、活躍してもらえません。

財務諸表を読めない取締役がいます。零細企業からスタートするのであれば、キャッシュフローを常に考えていなければ倒産します。

事業内容、その他、知っているべきことはたくさんあるし、これをサラリーマン社会で実地で学ぶと、その人のキャリアはわかりにくい複雑な経歴書となります。
この場合、他人、とくに人材紹介会社の評価なんぞ、絶対に気にしてはいけません。
考えてもみてください。競合山積みの人材紹介という儲からないビジネスをしている人々に、事業なんぞわかるわけもありません。大学生の考えを中学生が見て、適当なことを言われていることに等しいのです。
強い意思が必要ということではあります。

志茂田 景樹という作家は数十の職業を経験したといいます。事業を知ることと転職は違うことだと思ってください。

とはいえ、事業家

転職と起業はどちらが得かというと、私はこう考えています。

「期待値」という言葉をご存知でしょうか?確率論の初歩です。
サイコロの1の目が出ることに100円をかけたら、期待値は100 x 1/6 ということです。
以下の概念式を見てください。

 

  • サラリーマンとして評価される x 可能性
  • サラリーマンとして評価されない,リストラされる x 可能性
  • 自分のもつ市場性のあるスキル x 再雇用される可能性(ふくむ、年齢帯、年収帯)
  • 自分のもつビジネスねた x お金が設けられる可能性

この4つのポートフォリオで、できるならばどれもに手をだすのですが、できないのであれば、やれるもので自分を組み立てるべきでしょう。

それでも私はこう思います。
ホリエモンが獄中からメルマガでずーっと言っていることがあります。

サラリーマンはリスクが高いから、起業しろ。

彼がそういう理由は上の可能性の部分に注目し、自分で可能性をコントロールできるもののが事業家だけなのです。

オンザエッジという会社を起業し、大量に社員をかかえていた人間がが本音を言っていると思います。

事業については、また、だらだら書きますが、サラリーマンが安全というのは考えなおしたほうがいいと思いませんか?

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