サラリーマンのふり

ダメ出し社会が日本を潰す

仕事をしていて、すぐに人を「バカ」という人がいる。

例えば、なにかの制度について自分は精通していて他人が知らないと「バカ」という。

それでとても小さい、傍目で見ていて目を覆いたくなるような優越感を味わっている。

ちょっと自分に不都合があるだけで、製品を「使えない」という人がいる。

例えば、iPhone5のバッテリーケースでイヤホン部分が純正のイヤフォンしかつかないと、全部が「使い物にならない」という。

ちょっとやったことに難があると、職業ごと否定してしまう。

例えば、「放射能つけちゃうぞ」と言ったとされる(本人、現場の人間は言ってないという)だけで政治家としてバツ。

揚げ足を取って、議論どころかその人丸ごと否定する人がいる。

例えば、政治家誰もがやってる政治資金規正法逃れを特捜部がたいした証拠もなしに罪をでっち上げた、と最高裁で確定しているのに小沢一郎はダメだ、という。

飲み屋でもそう。

自分のレベルでしかモノが見えていないのに、簡単に2段階くらいの上役を「無能」呼ばわりする。なにかちょっとミスがあると、その人の人格ごと否定する。

もう、例をあげたらキリがない。しばしば、掃除機のゴミを吸わないだけでNECや日立製作所全部を否定しているような意見に出会わないだろうか。

どうして、こんな世の中になったのか考えてみて思い当たることがある。

仕事でごく一部しか担当しないことが圧倒的に多い。多くの企業が設立されて長い年月が経っている。

そもそも自社のビジネスモデルを知らない人も多い。部門の分割された仕事をすれば、自分はなんら非を問わえれることはないと思い込んでいる。

そういう人はすぐこういう。

「それ、わたしの仕事ですか?」

こういう人の頭の中には、ビジネス・プロセスなんてものはない。分担された仕事をやれば給料をもらえると思っている。

きっとBPRで自分の仕事がなくなったら、「理不尽だ」と怒るのだろう。

掃除機を作ったことがない人は、掃除機を作る大変さをまったく想像できない。だから、100の労力を費やして、1がダメだと100が全部ダメだと否定しつくして、他の人の苦労は顧みない。

それは誰か「エライ人」が考えることであって、わたしは知ったことじゃないのだろう。

ここまでの話の大半は「井の中の蛙」ということが多い。なにかを独力で作り出す経験がないから、簡単に人の苦労を全否定できてしまう。共感できるベースがないんですね。

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もうひとつの最も顕著な例がAPPLEのアプリマーケットだと思う。
ソフトウェア作品への日本人のコメントは下劣なことで世界に知られている。85円の製品が、いや、無料の製品でも自分のiPhoneにうまく導入できないと、ボロクソだ。

元は無料なんですよ。それで作った人にボロクソに悪口をいう。お客は神様だと自分で思っているのだろうか。

これは日本特有の現象らしい。アメリカでは導入できなくても「次に期待するわ」程度。

お金と品質のかねあいが日本はおかしい、という説もある。

ファミレスやマクドナルドで接客が悪いとキレまくっていることが例にあげられる。

300円くらいのパスタで「社長を出せ!」と騒いでいるのを見た人もいるだろう。

 

わたしは、お金と全体が見えないから起きる悲劇ではないだろうかと思う。

新しいチャレンジに自分の思う足りないものを数え上げていったら、なにも新しいものを作れない。

日本が停滞しているのは、なんに対しても特定の一部が未達だと非難しまくって全部を叩き潰し

自分はちっぽけな優越感を味わいたいという黒い快感を多くの人が求めているせいではないだろうか。

そうわかっていても、それは一部の人の感覚だと思って加点主義でチャレンジし続けたいものだ。

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