日経ビジネスオンラインに「第10回 それでは「権限委譲」ではなく単なる「丸投げ」です」で、権限委譲について論じているが、逆に最低限、マネージャがやらないといけないことを端的に示してくれています。
権限委譲を英語でエンパワーメントといっているが、外資系ではデリゲーション(delegation)といいます。(豆知識)
「任せたからね。自由に考えられて行動できていいでしょ。その代わり結果だけは頼むよ」それって一種の詐欺なんですよねぇ。うまくいけば、俺の成果。失敗すれば部下のせい。いいとこどりをしていることにお気づきにならない。
じゃ、なぜいけないのか?具体的理由をこの記事はきちんと説明してくれています。
- 考え、行動するための基準が明示されていない。
逆にいえば、示せない。できないことを隠すため「まかせた」という - あらかじめ、評価が約束されていない
うまくいった場合、成果を横取りするため約束しない - 適切な人選・目標・権限がない
自分はリソースをかかえ、人に渡さない。口だけ「まかせた」という
「仕事は成果さ」とうそぶいてノーコントロールのマネージャは、私の身近にもいます。マイクロマネージメント(箸の上げ下げまで文句をいい、人を鬱病に追い込む小心者)よりはましですが、困った問題が起きると「おまえにまかせて、自由にやらせていたのに」と逃げる。仕事はプロセスも大事です。
部下に目標を示し、適切にガイドし、リソースを割り当て、チームとして成果を喜ぶ、ということを何年も続ける、というマネージャの仕事は、もうおわかりのように、人間としての力が必要です。部下としては、そうじゃないタイプの人が上司なら仕事をまかせられちゃいけないんです。
ミスや不達成におびえるような小心者は本来、マネージャになっちゃいけないんです。