時々、「サラリーマンでよかったな」と思うことがある。お客に文句をいわれ、上司に文句をいわれ、後輩部下に文句をいわれ、身が縮む思いをすることもある。
そのお客も上司に叩かれ、その上司もさらに上司に叩かれ、後輩部下も叩かれ、とサラリーマン社会は、唯我独尊にならないようにできている。どれだけ尊大に見えても弱い存在は必ずいる。
叩かれているって大事だと思うんです。いやでも、価値観の多様性を思い知る。人間的に成長する。
これがなければ、この間書いた「スタンフォード監獄実験」の看守のような心理になりがち。
以下、叩かれないから増長する一方の人々。
- 零細企業(自称:ベンチャー)の社長
- 勉強しないおばさん
- 大手企業の社長、会長
- 学校の先生
- お稽古事の先生
- 理不尽に痛めつけられているサラリーマン
などなど、こういう人たちは、「あなたがどう見えているか」とフィードバックする人がいない。本人は他人とか周囲の人がどう考えるか、という想像力がどんどん欠如していく。EQの危機です。己が理論で増長する。俺、私は常に正しい。間違っているのはいつも相手。まさにスタンフォード実験の看守。
ただ、周りはどんどん離れていくから、どことなくヘンなんだけど、(だれも、「おまえ、嫌い」って大人はいいませんからね。)いつも相手はバカで非難されるべき対象だから気にならない。だんだんヤバクなっていきます。
そのうち、周囲じゃ飽き足らず、遠征する。自分の知っているせまい範囲での知識で少しでも違ったことが書かれていたり、聞いたりすると、噛み付く対象ができてうれしくてしょうがない。さっそくその餌をもとに、人格まで攻撃する。ここまでくると、内面は狂ってます。
ブログで他人に噛み付いたり、酒の席でいきなり人を殴ったり。とくに零細企業の社長って自分を抑えようともしない人によく出会う。
狂犬に出あったら、吠えつかれてちょっと噛まれても逃げるが勝ち。得るものはゼロ。出会ってしまったと思ったら、自分の世界から排除することですわね。2chが編み出した「スルーする」って現代を生きていくために重要な知恵だと思います。
ところで、男女問わず腹黒い人っていますよね。すぐ嘘ついたり、人のことを内心は見下している人。こういう人って、他人が嘘ついてるってあんまり考えないんですよね。腹黒い人に限って、人のいうことは信じやすいのは、おもしろいところです。おそらく人間の処理能力には限界があって、自分が嘘をつきながら、相手の嘘を見破るほどのキャパはないんでしょう。