雑感(日記)

気になるカーボンニュートラル

地球が二酸化炭素の増加のせいで温暖化している。

これが本当かどうかはわからない。多くの学者が賛同しているけれども、キャノングローバル研究所の杉山氏はよくわからないのではないか、と書いておられる。一方で環境省はついに「400ppmを越えた」と問題視している。

私達はなんとなく二酸化炭素濃度があがるってそのうち窒息するってこと?と思ってしまっているけれども、大気中400ppm、つまり0.04%になったという単位の話だということは知っておいて悪くない。

それはさておいて、カーボンニュートラル、つまり二酸化炭素を出す話と二酸化炭素を回収する話のはずが、二酸化炭素を出さない話に置き換わっていて、世界は大騒ぎをすることになる。

たとえば、二酸化炭素を出さなきゃどーしよーもない産業がある。
製鉄とか航空機産業だ。現代の技術では石炭(コークス)を燃やさずに効率的に鉄を作ることはできない。水素を使うなどと言われているが現時点で実用化されているわけじゃない。
世界を飛び回っている飛行機を明日からドローンに変えるなんて夢物語だ。
そもそも電力を作り出す世界の主流は火力発電だ。

二酸化炭素を吸収する工場は可能なんだけれども、現時点では話題にならない。
しかし、市場で巨額のカネを稼ぎ出すことになるだろう。
東芝が潰れかけているが、復活したいならこのジャンルしかないと思うし、できるのではなかろうか?

もちろん人類の関心事なので、投資はすすみ技術革新は進む。一方で、とてもきな臭い話が始まる。

それが「カーボンプライシング」つまり「二酸化炭素の排出量に価格を付ける。それを市場で売買する。炭素税と読んでいる価格をきめて売買する方法と、排出量を決めて売買する、大きく2通りがある」
市場が出来てカネが動くとさまざまな人が参加する。
発展途上国は自国の排出権を売ってお金を得ようとする。おそらく化学工場から出る排水はそのままだ。
これという投資先がなかった金融界も色めき立っている。

こう見るとグレタ・トゥーンベリ(大人を環境問題について口汚く罵る少女)の意味がわかってくる。
環境ビジネスの広告塔なのだ。だから多くの企業がお金を出し、発言のチャンスが与えられる。
その発言は後先考えない過激なほうが関心をひく。

断っておくが、地球環境に迷惑をかけないようにモノは作るべきだし、海に漂っているプラスチックは回収するべきだ。でも「自然破壊が起きるわけ」で書いたように、人類は基本的にモノを作る時に出る排出物は無価値だとして自然の中に捨ててきた。

SDGだ、カーボンニュートラルだと言っても、世界のビジネスは善意ではなく、よい建前を旗印にして新たなビジネスが出来ているに過ぎない。
産業は栄枯盛衰があるだろう。プラスチック成形産業がなくなり、京大が研究しているような木材成形産業が発達するかもしれない。
そうやってお金が動くことこそがビジネスになる。

しかし本質を考えずに、人が言っている建前を額面どおり受け止める日本人はカーボンニュートラルを環境問題だと思っているようだ。
また敗ける予感しかしない。これはビジネスなのだ。

以下、個人的な考えを書く。
グレタ・トゥーンベリの理想を達成するには、人類が大戦争を起こして人口のほとんどが死滅しなきゃ無理だと思う。地球という観点から見るならば人権なんか関係ない。自然災害で毎年けっこうな人が亡くなってる。
産業革命以前1700年ごろの地球人口はたったの約6億人だったのだ。それくらいならば大きな汚染も起きないだろう。今は78億人。

以前も書いたけれど、人口密度の低い土地、中国奥地、アフリカなどでガソリンエンジン以外なんて机上の空論だ。電線を使うようなインフラを敷き詰める方式は盗まれる。
今、環境にやさしいとされる技術は見ている限り、先進国でのみ成り立つ話ばかりだ。
畜産も人口が多いからたくさん必要になる。
だからもっとも効率的に自然破壊を止めたいのであれば、人口を減らせばいい。

多くの人が口に出さないだけで究極の答えには気づいているはずだ。
人権問題とビジネスの観点から、ストレートな回答から目をそむけて次善の策の環境ビジネスをするのだから、カーボンプライシングのような無理な方法となるに決まっている。

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