あんまり英語のことは書きたくないけれど、外資系に勤めていて上司がイギリス人っていう日本人は少ないだろうから、私の目から見た「真実」は時々書いておきたい。
日本での英語を見るたびに、教育のいびつさに笑いが出てしまう。
まるで日本人同士で英語をネタにハードルをバンバンあげて、差別化の手段に使っているようにしか見えない。
同じことは私がよく知っているコンピュータにもいえるけど。
転職条件で「パソコンができること」とか主張している奴がいたら、なにをもって「できる」としているのか小一時間ネチネチと虐めてやりたくなる。エクセルのマクロが書けるとか、アクセスが使えるって単なるマイクロソフトオフィスというアプリケーションの使い方をちょっと知ってるってだけで、パソコンのOSやハードについてなんにも知らない。基本的なかな漢字変換の動作原理についても知らないでしょ。
オタクのおもちゃだったんだから、「知ってる」っていう言葉を普通の素人が口走るのは、気をつけたほうがいい。
英語も同様で、語学が大好きというもって生まれた才能がある人以外は日本人がいう「ペラペラ」には絶対にならない、なれない。
しばしば十年海外に住んでいましたとかいうサラリーマン家族がいるが、現地の日本人社会で暮らしてほとんど英語で単独で暮らした人なんていない。結果、そんなに英語ができるわけない。旅行者英語程度。
もちろん、地元の学校にかよっていた帰国子女は別だけどね。
だから普通の人が英語におびえる必要はないんです。
いくつかの英語の風景と自分から見た必勝法を書いておきます。
毎週、英語の会議が1,2件はあります。
種類は二種類。雑談回と 上司への報告、裁量を仰ぐ回。
雑談はアジア地区でやることが多いから、英語が母国語じゃない人が多い。
だからネイティブのイギリス英語だけ聞いていると、聞き取れないと思う。中国人の四声入り英語、インド人の巻き舌英語、日本人の甲高い英語、すべて英語。
わからなけりゃ”Say again ?”でなんの問題もない会話。
上司はイギリス人だが、だからなおさら外国人の英語にあわせる。語彙も速度もあわせる。
表現がヘンな時はさりげなく修正してくれる。
そういうもの。
日本人がこういう中で問題なのは、言葉を原因として「自分の意見をいわない」「議論しようとしない」ことがもっとも嫌われる。誰も奥ゆかしいなんて思わない。なにも言わないってことはバカなのか、関心がないんじゃないの、と思われてる。それがイヤなら話すしかない。
時々、公私の理由で海外に出かけます。
海外の観光名所は本当に勉強になります。
世界中、おみやげ屋さんは語学の達人だな、と思います。10カ国語くらいを話せる人が少なくない。
もちろん限られた語学力ですが、それで商売になってる。
むやみに自分でレベルセットをあげないことって重要だと思います。
これらから導き出されるいくつかの「英語の使い方」があります。
- 難しい単語はTOEICでしかいらない。
ビジネス英語であっても、そんな難しい単語は使いません。理由はほとんどの人がネイティブではないから。TOEIC対策です。文法と語彙はTOEIC対策と割り切るべきです。
例えばおそらく10年後には三人称単数形につくsはなくなるであろうと言われているのが生きた英語です。 - ほとんどの英語学習で欠けていることは、自分のことを話す能力
英語ニュースを聞いていたら語学力が磨かれるとか言いますが、完璧に嘘です。あの英語はこちらに話しかけてもいないし、あなたに意見も求めていません。ああいう英語ばかり聞いていても会話の力になりません。
おすすめは一時間3000円くらいの外人とマンツーマンの英語個人レッスンです。話し続けることで外人コンプレックスをなくす必要があります。 - 英語圏で有名なコメディや歌手が日本で有名とは限らない
これを書いている理由は雑談って常識である文化の話しをしたがるものです。ヨーロッパの人はサッカー(フットボール)の話しを好みます。ドイツ人の同僚は重要な試合の時には仕事サボります。が、スポーツカフェに行くとみんないます。
それが世界です。だから英語の映画、サッカーや野球、英語の歌、英語のDVDがもっとも優れた教材なのです。 - メールは英借文
古い話で恐縮ですが、40年前に私の父が「英作文は英借文」と言っていましたが、真実です。
言葉のフレーズをいくつ覚えているか、で表現力は決まります。英語は単語と単語を並べるものではありません。フレーズをいくつ覚えているか、それを応用するか、です。 - 英語で考える
英語のできない人が「まず日本語で文を作って、英語に置き換えて話すから日本語は大事」と言っていました。完璧に間違いです。異国語を覚えていくことは異国語の人格を作ることに等しいです。
普段、日本語ではシャイな人がマレー語になると別人という人もいます。日本語で考えるように育った以上、思考のどこかに日本語は残っていますが、会話で二種類の言語を使い分けていません。
また、英語は知れば知るほど、読み下し文の翻訳が難しくなっていきます。なぜならばニュアンスがまったく違うものであることが多いのです。
英語は英語で考えるべきものです。最初から英語しか使うな、も暴論だと思いますが。
長年英語をやっていると、TOEIC会場で寝ていて690点くらいでした。真面目にやると800超えますが、もうどうでもいい年齢です。ひっかけ問題には素直にひっかかります。
蛇足ですが、TOEICって今現在、日本でしか使われていません。韓国はとっくに独自の試験に切り替えました。ですから、外人にTOEICって聞いてもよほどの日本人通じゃないと知らないです。TOEFLのほうがまだマシ。ウェブサイトで英検は日本でしか知られてないと書いてありましたが、TOEICも同じです。
新入社員のころに初めてTOEICを受けた時、会場の上空を飛行機が飛びました。その轟音をぼーっと聞いていたら問題文が3個くらい進んでいました。その時の成績は400点台でした。
ついでに言うならば高校の英文法では赤点を何度か取りました。私は英語はまったく得意ではなく、苦手意識からスタートしています。
それから自分では望んでいませんでしたが、否応無しにアメリカ人と仕事をする機会がある職場ばかりでした。そういう時にTOEICの点数よりも、「この人ともっと話しをしたい」と思い英語の勉強をしました。
したと言っても、繰り返しになりますが、なんとかして語彙を増やして、後は映画やDVDを何度も何度も見ることです。今ならYoutubeが加わりますね。
昔、友人がレストランで”スーパーサラダ”と言われて混乱し、すごいサラダがくるのかと思ったと。実は”Soup or Salada”だったと。
耳を鍛えるということは、こういうチャンクを記憶していく行為に過ぎません。知性はいらないのです。肉体的トレーニング。
同時通訳やってた英語の達人に聞いても「映画はいい教材だ」と言います。
本で「SEX AND THE CITYを分析したら350語でできていた」というのは鋭い分析の本だと思います。
頻出する300-400語をしっかり覚えている(自分から使える)と基本は完璧だと思います。
ペーパーバックも語彙を増やすにはよい教材です。電車で見ていると、なぜかみんな新しいペーパーバックしか読まないようです。
最初の100ページだけ辞書片手に読んでみるのです。だいたいそれくらいでその作者が頻繁に使う単語は出尽くすようです。残りは読めます。そこから出てきたわからない単語は、なに普通の英語の読者もわからないと思いますよ。
後、発音ですが、日本人女性がやりがちな巻き舌発音はやめたほうがいいです。
そういう人に限って、強弱がないので通じません。
RとLを区別することは簡単で、”Lux Super Rich”と幾度も唱えてCM見てください。
それでもわからなきゃ、英語でラーメンはramenと発音し、ライトやリッチはlightやlichになってしまうか一度、考えてみてください。ほんとーによく英語の解説サイトで「rもlも日本語にない」といいますが、それは五十音としてはないだけで日本人はrもlもしゃべってます。
BとVはBはビーと伸びますが、Vはヴッと短く破裂する違いしかありません。
どーでもいいことにどれだけ時間を浪費しているんだか。
英語を発音する時には、発音記号についてのいろんな意見を無視して喉から話すようにしてみてください。
とっても英語っぽくなって通じます。英語は喉発音だというのは真実だと思います。
日々、自分のやってることや考えを英語でつぶやいてみて、つぶやけなかったら調べると急速に英語は上達します。
蛇足ですが、ミュージシャンはすぐに英語が上達します。何人か耳のいい人を知っていますが、聞いた言葉を音としてそのまま覚えて再生できる人は語学の才能があります。
どこの国の言葉でも最初に音を丸暗記できる人は、それ、才能です。せっかくなので伸ばしてください。
そうやって外国に旅行に行ったり秋葉原で外国人と話して問題なければ確実に「使える英語」が上達しています。
現地の人と英語を橋として会話が成立すると、いろいろお得なことがあります。
夫婦で旅行にいって、お店で買い物をして”May I take your picture with my wife ?”と言って拒否されたことはありません。どの国の店員さんもパッと顔が明るくなって”ME?”とうれしそうです。
ぜひ、やってみてください。
ね、英語って楽しく勉強できるんですよ。
今日、明日のTOEICの点数はあなたの職場では大事かもしれませんが、それは自分の身を救ってくれる英語でしょうか?
店員に”How is your night ?”と言われてどう答える英語でしょうか?
アメリカに行って空港で別室でいろいろ問い詰められた時にちゃんと聞いて、答えられる英語でしょうか?
交通事故にあって車壊れても、警察に説明しHertzに説明できる英語でしょうか?
ベルリンの空港の検査で忘れていたポケットナイフが出てきて大騒ぎになった時に、「忘れていた」と説得できる英語でしょうか?
どれも私の身の上に起きたことです。
英語を使って生きていく人生ではコミュニケーションの道具としての英語こそが必要なんです。
TOEICの点のみを求める日本企業って私は意味がないと思っています。
技術的ゴールレベルのみが高すぎて、話す度胸がつかないんです。
昔のヤオハンみたいに「行けばなんとかなる」が正しいと思います。