サラリーマンのふり

好奇心が原動力

Wii Uが発売される。アキバではわずかながら行列ができているようだ。

なぜ、並ぶのか?新しいものを体験したいからじゃないかな。

2012年のIT業界を振り返ると、タブレットとクラウドで騒がしかった。

クラウドはいまだに、なんちゃってだ。必要ない人、使えないところはいくらでもある。対する言葉であるオンプレミスをなくしちゃったら日本のSI,ハードウェア商社は清算するしかない。なくなるわけがない。
それを無視するかのように、クラウド、クラウド、と日経あたりが叫ぶのを見ていると売れてないことがわかる。ホンネベースでは誰も儲からないしね。もうVMWareでこりごりだろう。未だにバズワードではないのかな?

タブレットはもっと悲惨。iPadを皮切りに世の中の人が動いた。で、会社に「これ便利なのに、なんでパソコン使わなきゃいけないの?」とシンプルな質問を投げたところ、感性の低いIT業界の人達が大騒ぎしはじめた。
いつものように出る「iPadはおもちゃだ」
アハハハ20年前に聞いたよ「パソコンはおもちゃだ」ってね。

かくして、あちこちで「iPadを企業で活用する方法」っていうバカみたいな講演会が展開され始めた。こういう講演会に行く価値がない理由は次の3つ。
一つ目。こういう講演会では必ず話題になるのがTCOだ。いつもTCOは削減される話が出てくる。で?御社のIT予算は削減されましたっけ?部分的に正しそうでも、トータルではウソという話に何年も何年も、おそらく退職するまで騙され続けるのだろうか?

2つ目。IT業界は調査会社と外資系のベンダーのプレゼン聞いたらいいだけで、あとは聞かなくてイイ。(もちろん、暇だから講演会に行って良い睡眠を取りたいなら話は別だ)日本企業でコンセプチュアルに新しい話をするだけのリスクを負いきれる人は見たことがない。つまりどこかのコピー。

3つ目。iPadについて詳しい人間なんてプログラマー以外いない。だって、まだ世の中に初代iPadが出てきて二年しかたってないのだよ。ほら、電車の中で女子大生も使っている。身銭を切ってね。
会社の経費で「検証」と称してお勉強用のiPadを買ってもらい、自分はさして興味ないからミーティングで「ブレーンストーミング」という思いつきで若者の意見をまとめ、思いつきにあてはまる過去事例をこじつけ、キレイなパワーポイントに仕上げたものをありがたがるのは、いい加減にやめたほうがいい。
自分で金だして使っている人に知識、経験で勝てない。

なんでこんなことをしつこく書いているかというと、今の技術の流れをよく見て欲しい。IBM, HP, Dell, Hitachi, Fujitsu, NEC, Micro Softから新しい技術が出ていますかね?垂直統合システムは衝撃的だけど、新しいもので食えないから既存をまとめあげたという最終フェーズの代物でしょう。

本当はGoogle本社(日本じゃないことに注意)、Apple本社(日本じゃないことに注意)、Apache Foundationなど技術の発信元が変わってるんです。

なぜかというと、サーバーの時代は終わったから。コンシューマープロダクトのほうが先を進んでいる。この単純な変化を見過ごしたらえらいことになる。

だから、普通の人のほうがトレンドに詳しい。その背後にあるものは「日々の企業の事業活動に必要だ」とかいうくだらない理由じゃなく、「スゲー、おもしろろそう!」という好奇心。

建前は予算獲得には必要だけど、それが本当のドライバーでないことは認識しておくこと。

 

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