サラリーマンのふり

仕事と健康

健康に無頓着な人が多いといつも思います。

日々、サラリーマン生活をしていてちょっと管理職なんかになると完全に忘れて誤解しますが、サラリーマンとは基本的に会社に体ひとつだけ提供するものです。

考えてみてください。通勤費、仕事でかかる費用の一切(自弁している人は間違いです)、場合によっては各種手当てまで出るのです。自分は体ひとつ。せいぜい安物のスーツ着ろくらいが要求されていることです。
これはどれだけポジションが上がったとしても同じです。

逆の見方をしましょう。

資本家(資本を提供する人)じゃなく、雇われている人はそれだけの責任しかないのです。

資本家は出した資本以上の責任を負いません。ましてや雇用者の責任なんて労働法でも決まっていて上限があります。自分が会社のオーナーのように錯覚して、背負えないレベルの責任を背負っているつもりの勘違い野郎が多すぎ。
参加しているあらゆる人の責任が限定されている。それが株式会社というものです。

これくらいは高校くらいで教えているはずなのですが、勉強をおざなりにした人ほど誤解をしていると思います。

体一つを提供しているということから導きだされることは、サラリーマンというものは健康でなければ収入の道は原則閉ざされるということです。

もちろん、病気になることもありますが、ずーっとそれが続くようであればお辞めいただくしかないのは、資本主義社会の企業の役割を考えたら当たり前のことです。生存権うんぬんは政府が担当することで私企業が担当することじゃありません。

これくらいも高校までで教えているはずなのですが、勉強をおざなりにした人ほど誤解をしていると思います。

 

さて、しばしば有給休暇の論争で、「病気になるのは自己管理ができていないからだ。」という無知な人がいます。

そういう人の中は健康のために、ジョギングしたりジム行ったりして健康管理を誇る人がいますが、あれもどこでそれが健康にいいと聞いてきたのですかね?いくら体を鍛えても病気にはなります。
病気が気の緩みから起きるという人は健康保険証を返納すればいいと思います。

もっとも話題となる「風邪」を取り上げましょう。私は代替医療についての知り合いが多いため、風邪を病気だと考えてはおりません。以下に風邪についての考察を書きます。

「風邪」とは、現象は共通していますが風邪を引き起こす細菌は数百種類いるそうです。
ほとんどの人が病気について無知ですから、(いや怒らずに残りを読んでね)「風邪を医者に治してもらおう」と病院に行きます。

しかし、テレビ番組でもやっていましたが、医師が風邪について行う診療は、風邪に似た症状だけど深刻な病気ではないか、症状のせいで体が傷んでいないかを調べます。

風邪に極めて似たインフルエンザならば薬を出しますし、気管支や肺が傷んでいれば症状を抑える薬を出します。
しかし、風邪そのものの薬がないことはご存知のとおりです。

そして「暖かくして、水分を十分に取りながら寝ていなさい。」と指導します。

ほとんどの人が風邪をひいて病院に行く理由は、どうしても行動しなきゃいけないから解熱剤をもらいにいくか、ひいてしんどくなって5日ほどしてから病院に行くのですが、実はそのころは回復期ということがほとんどです。

体感的には「病院で風邪を治してもらった」感じがするのです。
が、医師は風邪を治しません。言い換えると深刻な病気でないことを医師は診てくれています。

人は風邪の原因となる数百種類のウィルスすべてに抗体を持っていることはありません。
ロシアンルーレットのように抗体をもっていないウィルスにあたれば当然、体は反応します。

そして体が弱っている時、過ぎたハードワーク、気が緩んでいる時、ストレス下において症状は悪化します。
これは体が休みを要求していると言っても過言ではありません。

あなたの意識が「どうしてこんな時に熱?」と思っても、体のほうが生き延びるためのミッションをもっている以上、正確なのです。
不思議なことに風邪から回復した後の体は関節も緩み、気分も以前よりはよくなっていることが多いのです。

さて、ここまで風邪について知っても「風邪をひくのは自己管理がなっていないから」といえるでしょうか?
その「自己管理」とは具体的になんでしょうか?
決して働きやすいといえないような職場においてはなおさらです。

どの人にも備わっている自然治癒力という、ものすごい医師がいながら病気になる理由について、一般の人はあまりに無知です。
だからノーテンキに「自己管理」とか意思の力でなんとかできるなどという考えをもつのです。

さて、ここまでいろいろ書いている目的は、サラリーマンは自分の体だけが資本なのですから風邪といえども軽視せずにしっかりメンテナンスして、長く勤められるようにするべきだという当たり前の結論です。

サラリーマンライフはマラソンです。完走した人が偉いわけで、どれだけ短期間の間に頑張って業績をあげても、病気になったり死んだりしてリタイアしたらそれまでなのです。
仕事というお金を得る手段と、自分の人生を天秤にかけるようなマネをしてはいけません。
別にいつも仕事の重圧から逃げろといっているのではありません。
それが一定期間で自分のために将来役立つのであれば、ここはがんばりどころということもあるでしょう。

でも、それを考えた上での行動ですか?と聞いているのです。

関連記事

  1. SPA認定ブラック企業

  2. 「マーケティング」は免罪符ではない

  3. やっていることが嫌いであることから学ぶ

  4. ホリエモンの起業論

  5. 男の嫉妬

  6. ワトソンなんて売れるわけないやん

  7. エリートのマネをしてはいけない

  8. 外資系企業の目標設定

記事をプリント