サラリーマンのふり

日本人の給与

国税庁が作った民間給与実体統計調査というデータがあります。

これを見ると、労働者は4600万人程度。
いろいろ読み取れるのですが、私が注目したのは表16の中。

そこからデータをピックアップして以下のような表とグラフを作ってみました。

この表では年収1000万円以上の刻みがあらいのですが、1000-1500がポコンと飛び出ていることがわかると思います。

しばしば日本人の平均年収430万円などといいますが、それはそういう人が多いというだけです。
このポコンと飛び出ている棒の解釈は3とおりあります。

  1. ひとつは年功序列で年寄りがたくさんもらっている。
  2. 非正規がめちゃ安い。(給与所得者の約1/4が非正規雇用者)
  3. もうひとつは、給料の高い仕事と安い仕事がある。

今は1と2が主な理由です。

しかし、今後3が増えてくるように思います。

今でも、産業別に見ると

で、一見、金融やエネルギー系がおいしいようですが、年寄りが平均給与をあげているので見間違えないでください。
おいしかった時代は終わりました。
医療は医者以外はぜーんぜん儲からないってこともわかりますね。

そうするとIT、製造業と学術研究がおいしい産業だということがわかります。

しかしながら、世の中にはまだクラウドシステムが出回っていませんから、今後は次のように変化すると思われます。

ここからが本論です。

「知的財産」という言葉が日本に広まってずいぶんたちますが、日本人にはいまだによくわかっていないと思われます。

たとえば、スマホ。
中身はiPhoneならばIOS、AndroidならばGoogleが作ったものです。
Googleは世界最大の検索サービスと広告代理店ですから、その一環としてAndroidを提供しています。

さて、私達が手にしているスマホそのものは言うまでもなく、大半は中国で組み立てられています。
日本や韓国の部品が中国に集められ、アメリカのAppleやスマホメーカーの設計にもとづき組み立てられています。

中国でその組立に参加している人は何十万人かいるでしょう。
しかし、Appleは世界中で11万5千人。Googleははっきりしませんが、わずか数万人です。

その人々が利益の大半をもっていき、残りをメーカーが大量の人数で分け合うという構図となります。

すぐれたアイデアに基づくデザイン、設計を

「そんなものは誰にでもできる」
と製品を作る技術だけにしか価値を見いだせない日本は、まだまだ沈んでいくと思います。

 

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