起業

ちょっとコンピュータを知ってるからITコンサルタント?

これは、IT業界の人に読んで欲しくない。
一般の人に本当のことをバラすから。

「顧客の置かれているビジネスの環境や業界、ビジネスプロセスの内容、組織体制をちゃんと把握する。それに対してどういうITの使い方がよいのか含め、いわゆる上流工程や超上流工程という部分から始め、実際にシステムを作るまで支援するというスタイルを取っています」

これは、とあるITコンサルタントの言葉でありますが、数年来、よく聞くセリフです。
最初に言っておきます。「言っていることの半分もできないのがほんとうのところです。」

私は過激なことを言っているようです。

これから理由を説明しますが、最初に一般人のあなたに聞きたい。
「あなたは、自社の商品、業界、商慣習、お客、社内の組織を知らずに仕事をしていますか?」
おそらく
「ふざけんな。そんなんで仕事になるわけがないだろーが」

その怒りには「それを得るために、俺(私)なりに頑張った」という思いがあるでしょうし、しばしば商慣習には非合理もありますが、深い知識があったりもします。

それをITコンサルは上のように簡単に理解できるというのですよ。
コンピューターのことを知っているから、圧倒的な学習能力がつく?そんなことはありえないです。

しばしば、IT業界、コンサル業界ではこういう伝説がまかりとおっています。
「そういう業界の慣習を第三者的に見直すことで、改善点が見つかるのです」

一見、正しいです。
その改善点が徹底的に議論されたものであり、フリーハンドでどうとでも作れるものであるならば。

が、実際のインプリメンテーション(どういうシステムを価値があると言って売りつけるか)を考えないでコンサルティングをするバカはいません。
その答えは間違いなく、彼、彼女が属している会社がもつソリューションとかいうものです。
それはパッケージであり、そのカスタマイズであります。

そうです。改善するはずのシステムはフリーハンドであるはずがないのです。

じゃぁ、逆にITコンサルタントがどれくらいコンピューター、ネットワークといったインフラから、システムの作られ方、システムの運用の仕方、費用対効果の算定、新規への変化のことを知ってるでしょうか?
彼の所属している会社は、そんなスーパーな人を育てることが出来るのでしょうか?
あなたの業界だって、扱っている商品の周辺をふくめ、まんべんなく理解している人はそれなりにシニアであるはずです。IT業界だけが、ミョウに若い若者がすべてを知っていると豪語します。
それは会社が勧めている、ごく限られたパターンをひとつもしくはいくつか知っているだけです。つまり「井の中の蛙」であることに過ぎません。後の技術論ははったり。

嘘だと思うなら、このあいだブログに書いたネタ
「なぜ、エクセルは浮動小数点演算で誤差が出ないのか説明してくれ」とでも聞いてみてください。最近のITコンサルタントは、こういう地味なコンピュータの動作原理の基本の範疇の浮動小数点演算の基礎も知らないのがほとんどです。

もうひとつ、重大な問題があります。
この業界の人間はいとも簡単に「お客様の経営課題」といいます。
普通人のあなたにお尋ねしたい。「自社の経営課題って理解できますか?」

会社を経営したり、投資したりしたこともなければ、社会経験も浅そうな人間が、他社の経営課題を解決できるというのですよ。しかもお金をもらって。
私は会社を経営した経験も、投資した経験ももちますが、そんな数字並べて合理的にできるんだったら、コンピューターに経営させればいいはずです。ちゃんとした経営者は多くはないですが、それでも人を置いているという重大事に気づきましょう。
IT業界やコンサルティング業界ということを離れ、そこいらの若造にそんな投資の決断ができるかどうか冷静になって考えましょう。

ここまでの過激意見を要約します。

  1. ITコンサルは神のごとき理解力をもっているわけではない。
  2. 結論ありきのコンサルじゃなきゃ、ご飯は食べられない。
  3. すべての技術を知っている人は、研究職でもない限りいない。
  4. 経営、投資なんてやったこともないのに、経営を語るおかしさに気づけ。

一方で、IT業界はどんどん深い知識なしにシステムを作ることができるように進んでいます。
まず、お客である一般の人だってコンピューターについて、かなりの知識をもっています。ちょっと勉強したら、マイクロソフトアクセスで業務システムを作ったりできちゃいます。
次に コンピュータ資源がベラボーに安いという点があります。うかうかすると企業のデータすべてが入ってしまいそうな2TBハードディスクが一万円。メモリーは8GBで4000円。CPUは4コアで3万円。今時、CPUを何時間使おうが、メモリーを数GBムダに使おうが、チューニングする手間のほうがはるかに高価な時代です。
細かいチューニングするくらいなら、数百GBのメモリーに全部展開して処理してしまえ、という力技のほうが安いのです。

少々の無駄があろうが、一向に構わないのです。

しかも経験値は自称コンサルタントを上回っていることすらあります。いまさら、身銭を切って買ったiPhone,AndroidやiPadの活用の仕方をロクに使ったこともないITコンサルタントに、聞くのでしょうか?

せいぜい「個人所有のものを業務に使うと危ないから、管理ソフト買えよ」くらいのことが関の山。なら、専門雑誌を毎月読めばいい程度のことです。

「コンピューターのことはわからない」

という時代じゃないです。否応なしに、みんな使っています。自分たちでちょっとしたシステムを作り、「これ、時間かかるよな」というものを真の意味で「外注」すべき時代だと思います。

なぜ、こういうことを書いているかというと、もうシステムをくだらない人任せにする時代じゃないと思うのです。
参考までに書いておきますが、アメリカでは「システムインテグレーター」という商売をやっている会社はとても少ないです。お客さんは丸投げしないのです。自社の問題は自社で解決するという当たり前のことが貫かれています。

日本の一部のIT部門くらいです。「我社の経営課題を指摘、解決してくれ」なんて、普通のビジネスマンからしたら目が点になることを堂々と言うのは。

今時のビジネスの激しい変化についていくためには、「システムはお客が育てる」でないと、すぐ腐ります。問題に最初に気づくのはユーザーに決まっています。

システムは完成したら、未来を約束してくれるわけではありません。それは過去の問題を片付けたにすぎないのです。
この成長に対する見解こそが、経営を左右することです。

自称ITコンサルタントの話しを参考にするのはいいことですが、ホンネのところであなたの業務はあなたが一番知っています。
もう、いい加減に丸投げを止めて、冒頭のようなできもしないことを話すコンサルタントを駆逐する時代だと感じています。

あなたがプロであるならば。

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