雑感(日記)

ミドルエイジクライシス

ここのところ気になることがある。もちろん、「うつ病」。下は厚生労働省のサイトからもってきたグラフ。

 

いまさら俺が書かなくても、うつ病は激増している。これを本人の問題だけだと考えていいとは思えない。

「つれがウツになりまして」っていう本があるが、真面目な人が過重労働で折れてしまう。ストーリーはこんなもんだろう。「儲からない部署の人員は削減しろ。」ところが、仕事量は減らさない。あげくには、「仕事をこなせない人間は無能だ」
え?そんなに経営者はなにも考えていないはずはない? 経営者に会って話したことないから、そんなこというんですよ。こういう儲からない話からうつ病になる人の話しをすると、「俺もたいへんなんだよ」と自分も被害者だという人が大半。イヤな問題は先送りするか、自分のせいじゃない、という。
景気のよかった昔は経営は誰にでも出来た。今の日本での企業経営は簡単ではない。それゆえメンタル問題は放置され、同じサラリーマンが片付けることとなる。

ところがそのサラリーマンも、心がすさんでいるから、運悪く仕事を失い転職したいと願う人間に門戸は開かない。本音をいえば、確かにできる人が不幸にして仕事を失ったケースは、本人の問題から仕事を失ったケースより少ない。
また、自分より出来る人間に入社されると困る、という気持ちもわかる。でも、そう考えていたら、自分の組織は自分の能力以上にはならない、ということになる。不況で事業を伸ばすわけでもないので、それでなんとかなる。
本当は自分より能力の高い人を使うことができるというのもマネージャの大事な能力のひとつなんだが、それがわからない、知らないマネージャがあまりに多い。

さて、毎朝、大手町を歩く。今、老朽化したビル群の再構築で建設現場がたくさんある。ところが働いている人はほとんどが50歳以上に見える人ばかり。ビル建築って、知らない人は誰でも出来ると思っているかも知れないが、とんでもない。
プロジェクトの管理にしろ、スキルの伝達にしろ、ソフトウェアスキルはIT業界の20年先を行っている。しかも人命がかかっていることが多い。誰もいわないが、多くのノウハウがIT業界で利用されている。そういう人たちのスキルが途切れているようだ。あと、10年たったら工事現場では誰が働いているのだろうか?

IT業界も現場の力がどんどん落ちている。逆の言い方をすると、スキルの伝達は行われていない。このままだと、「高品質の日本」なんて昔話になりかねない。品質で飯を食えるのは今のうちだと思う。

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